ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

見知らぬ伯爵への求婚 アナ・ベネット

 kindle unlimitedに入っていたので読んでみた。可愛らしいヒロインと貧乏だけど魅力的なヒーローの楽しいロマンスだけど、ちょっと設定に無理があるような・・。

 資産家令嬢のヒロインに、妹の出生の秘密をばらされたくなければ2週間以内に金を払えという脅迫状が届き、そのお金を都合するためには結婚して夫から手当をもらうしかないと考え、貧乏な伯爵のヒーローならたっぷり持参金のある自分との結婚を承知するだろうと彼に話を持ち掛けることに。そもそも2週間しかないのに結婚してお金を手に入れようとするのが不自然すぎる。お金持ちで贅沢品に囲まれて暮らしているのだから、結婚しなくてもお金を工面することはできるだろうに。脅迫者が未婚の令嬢に手紙を送るというのも変で、普通は父親に送るよね。ヒロインが結婚を急ぐ状況を作り出したいがために無理やり捻り出した設定という感じで突っ込みどころ満載。もう少しストーリーに説得力がほしい。

 ヒーローは浪費家の両親のせいで荒れ果ててしまった領地を祖母のためによみがえらせようとしている働き者の伯爵で、最初はヒロインの提案を撥ねつけるつもりだったけれど、彼女を知るにつれ惹かれていく。何やら過去の出来事のせいで愛を信じられなくなったらしいけど、ヒロインに出会って凍りついていた心が溶かされていく。それは良いとして、彼の両親に起きた悲劇については事件の背景もよくわからないし、作者はドラマティックにしたかったんだろうけど悲しいエピソードを無理やり取って付けたようでしっくりこない。彼を振った元婚約者が突然よりを戻そうとするのも不自然だし、色々詰め込んで盛り上げようとするのはわかるけど、ストーリーの詰めが甘く全体的に作者の力不足を感じる作品だった。

 それでも主役カップルのキャラクターは悪くないので、あまり深く考えずに読めばそこそこ楽しめると思う。

 

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