ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

落ちた花嫁 ニナ・サドウスキー

 映画やテレビの脚本家として活躍していた作者の小説デビュー作だそうで、確かに映像をそのまま文章にしたような視覚に訴える作風だけど、内容はB級映画っぽくて小説としてはちょっと深みが足りないような。

 恋愛では不運続きで素敵な男性との出会いを求めていた主人公のエリーが、友人に紹介されたロブと運命的な恋に落ち、プロポーズされて結婚式を迎えたその日に彼から驚愕の事実を告白され、事件に巻き込まれていくというストーリー。二人が出会って真っ逆さまに恋に落ちる様子はロマンス小説のようで、ノワール系のロマサスと言ってもいいかもしれない。

 エリーがロビーと出会う前の残念な恋愛遍歴はチックリットみたいで、大学時代の恋人が実は〇〇だったとか、白血病で姉が亡くなったことで母親との仲がギクシャクしているとか、彼女の人生だけでも1冊書けそうな濃いエピソードが山盛りだった。ロビーのほうはさらに凄くて、幼少期は継父がDV男で悲惨な経験をし、その後は路上生活、実の父親が見つかったと思ったら・・・という波乱万丈すぎる人生。

 残虐な殺人に衝撃の過去、驚きのエピソードが次から次へと息つく暇もなく展開するので退屈することはないけれど、ちょっと演出過剰な感じはするかも。エリーもロブも重い過去を抱えていて興味深いキャラクターではあるものの、方向性が定まっていないような感じで、人間性が見えてこなくてあまり共感できない。結局このカップルは不幸な人生の先に愛を見つけた2人なのか、それともソシオパス的な素質のある2人が潜在的に惹かれ合って恋に落ちたのか・・・。

 キャラクターの魅力不足は否めないけれど、インパクトのあるエピソードがこれでもかというほど詰め込まれたサービス満点の内容で、サスペンスとしてはそこそこ楽しめる作品だったと思う。

 

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