ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

サイレント・スクリーム アンジェラ・マーソンズ

 颯爽とバイクを乗りこなすカッコいい女性警部が主人公のミステリー。よくあるストーリーで特別凄いところはないけど最後まで読ませるだけのものはあった。

 これがデビュー作だそうで、やはりセリフの面白味とか文章力はあと一歩という感じかな。主人公のキムは養護施設で育ったタフな女性で、正義感が強く事件解決に一生懸命なところは好感が持てる。精神を病んでいる母親に、幼い時に亡くなった弟、実の子供のように愛してくれた里親の感動的なエピソード等、バックグラウンドも詳細に説明されていて、作者が魅力的なキャラクターを造り上げようとしているのが感じられるけど、頑張りすぎて色々盛りすぎな印象。被害者に自分の過去を重ね合わせるところとか、いかにもな設定で却ってあまり共感できなかった。

 残虐な殺人事件を描いたストーリーはそこそこ面白いけど目新しさはないかなあ。最後にもう一捻り入れたはいいけど、ちょっと無理やりで不自然な気がした。本国では好評らしくシリーズ16作目が今年刊行予定になっているけど、翻訳はこの1冊だけ。似たような話を書いている作家が他にたくさんいるので、よほど抜きん出た何かがないと続刊の翻訳は厳しいよねえ。

 

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