ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

森から来た少年 ハーラン・コーベン

 ハーラン・コーベンの新作。主人公のワイルドは子供の頃、森に置き去りにされ発見されるまで数年間(?)独力で暮らしていたという凄い過去があり、里親の元で育ち、陸軍士官学校に入って従軍した後、退役して今はフリーの捜査員をしているという。頭が良く運動神経も抜群でおまけにハンサムというかなりハイスペックな男性で、超人的すぎて最初はちょっと嘘くさいキャラクターに思えたけど、読んでいるうちにじわじわと魅力が伝わってきてすっかり気に入ってしまった。この作者は最近はずっと単独作ばかり書いていたけど、これは珍しくシリーズ化しているから、きっと主人公のワイルドが人気だったんだろうね。なかなか味のあるキャラクターだと思う。

 ワイルドが知り合いの弁護士へスターから高校生の失踪事件の調査を依頼され、捜査しているうちに意外な事実が判明して・・・というストーリー。へスターは70代のベテラン弁護士でもう一人の主役というべき人物だけど、こんなおばあちゃんの恋愛話が書かれているところがアメリカ的だわね。序盤の高校生の陰湿ないじめのエピソードには気が滅入ったけど、そこから予想外の展開になって興味を引かれ、話に引き込まれていった。政治家のスキャンダルもみ消し作戦(?)があまりにもえげつなくて、うへぇと思いながらもその悪知恵の凄さに感心してしまった。こういう政治家が実際にいそうでリアリティがあった。細かいところまで良く出来たストーリーが流石。最後に明らかになった事実が衝撃的で、結末も単純な勧善懲悪ではなく色々と考えさせられた。本国ではシリーズ2作目が今月刊行されて早速ベストセラーになっている。ワイルドの謎めいた過去が気になるので是非翻訳を。

 ハーラン・コーベンの小説はここ数年で続々とNetflixがドラマ化しているので、これもそのうち映像化されるかもね。ワイルドは人気が出そうなキャラだし。数か月前にNetflixで「ステイ・クロース」の配信が始まった時に、このブログに本の感想を書いた記事の閲覧数が恐ろしく増えて、ドラマも人気あるんだなあと思ったのよね。

 

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