ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者 アンドリュー・メイン

 生物学探偵・・・。かつての教え子が殺された事件に首を突っ込んで勝手に自分で調査を始める大学教授が主人公。研究一筋の生物学者で、頭は良いけど対人関係は苦手、科学の蘊蓄を語りだしたら止まらないところがいかにもオタクっぽくて面白いキャラクターだった。研究で培った知識を生かしてデータを分析し次々と手がかりを発見するけれど、捜査に関しては素人なので、警察に犯人扱いされてしどろもどろになったり、関係者に話を聞こうとしてボコボコに殴られたり、最初のうちは銃も撃てなくて唯一の武器が唐辛子スプレーだったり、変に強くないところに好感が持てた。作者もかなり科学の知識があるのか、作中にちりばめられた蘊蓄がとても興味深く、理系の人が読んでも楽しいんじゃないかな。

 でも終盤はだんだん荒唐無稽な展開になって、巧妙に正体を隠していた知能犯のはずの敵が暴走したターミネーターみたいになったり、突っ込みどころ満載だったな。知的なミステリだと思って読んでいたら、いつのまにか奇想天外なアクションものになっていたという。ダ・ヴィンチ・コードのラングドン教授の劣化版みたいな主人公だけど、まあ、これはこれで面白いと思う。読みやすいし化学系の色んな知識も得られるおトクな一作だった。

 

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