ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

拳銃使いの娘 ジョーダン・ハーパー

 大人向けのミステリーだけど、11歳の女の子が主役なのでヤングアダルトっぽいのかなと思って読み始めたら、ギャング絡みの殴り合い殺し合いで、みんなが銃をぶっ放しているような、かなりノワールな内容だった。この手の話はあまり好みではないのだけれど、主人公のポリー(と彼女が肌身離さず持っている熊のぬいぐるみ)の可愛さで最後まで読んだ。

 作者はドラマの脚本家だそうで、なるほどキャラクターの描き方が上手い。ぬいぐるみの熊を自分の分身のように使って気持ちを表現するポリーがとても微笑ましく、熊を持った彼女の姿が目に見えるようだった。ぬいぐるみの使い方が絶妙で、キャラクターがリアルに感じられた。前科者の父親のせいでギャングに命を狙われ、親子で逃避行するというストーリーで、変わり者で学校では負け犬だけど、父親と一緒に強盗をしたりするうちに強く大胆になり、生き生きしてくるポリーの変化を描いている。父親のネイトはかなりの悪党だけど、娘と行動をともにするうちに親子の絆が芽生え、最後には命懸けで娘を守ろうとするようになり、悪党も人の親なんだと和んだ。暴力的なストーリーだけど、ポリーとネイトが親子の絆を深めていき、お互いにかけがえのない存在になっていくのが良かった。

 この作品は全米図書館協会が毎年、12~18歳のYA世代に薦める大人向けの本10冊に贈るというアレックス賞を受賞しているそうで、変わった賞だなと思って調べてみたら、ケイシー・マクイストンの「赤と白とロイヤルブルー」も受賞していたので驚いた。

 

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