ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

たとえ天が墜ちようとも アレン・エスケンス

 初めて読む作家だけど、まさにこういう法廷ものが読みたかったという内容で、とても気に入った。420頁で翻訳小説としては短めだけど、中身が濃くて読み応えがあった。

 刑事のマックスと弁護士のボーディは友人同士だったけれど、マックスが担当する殺人事件の裁判で、ボーディが被告の弁護をすることになり敵対する。正義を貫くために友情が犠牲になってしまうのが切ない。地味な内容だけど法廷のシーンはすごく臨場感があって緊張感が伝わってきたし、裁判の行方も興味深くて面白かった。奥さんをひき逃げ事故で亡くしたマックスの苦しみも、過去に無実の依頼人を刑務所送りにして自殺に追い込んでしまった経験のあるボーディの罪悪感も、心に響くものがあり、キャラクターがとてもリアルに感じられた。真摯に自分の仕事に取り組んでいる者同士の対決なので、どちらの側も説得力があった。あまり内容を書くとネタバレになってしまうので、これ以上は書かないけれど、法廷ものが好きな人なら読んで損はないかと。

 

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