ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

壊された夜に サンドラ・ブラウン

 弟が大物詐欺師と一緒に働いているために、命を狙われ殺し屋を差し向けられてしまったヒロイン。ところがその殺し屋は何故か相棒を殺し、彼女を攫って逃走する。

 二転三転するストーリーに、謎めいたワイルドなヒーローとのロマンスはいつもどおりのサンドラ・ブラウンで面白かったけど、一つ言わせてもらうと、この設定はサスペンス的にはあまり良くないんじゃないかしら。だってロマサスのヒーローが本当に極悪な殺し屋のわけがないから、絶対に何かカラクリがあるはずだと思って読むじゃない。ジャンルがロマサスだということがある意味ネタバレになっていると思うのよ。それを念頭に読むと、ヒーローがヒロインを監禁する方法も何だか生っちょろくて、凄んで見せても殺すつもりがないのがバレバレだし、手首を拘束する時に痛くないように内側にバンダナを巻いてあげたりとか、やけに親切で本当は良い人なのがミエミエスケスケだったわ。ヒロインのほうも監禁されているというのに彼に見つめられてヨロメいたりして、ロマンスとしては面白いけど恐怖度は低いわね。ヒーローの正体が判明した時も、だよねー、そんなことだろうと思ったよ、という感じであまり驚きが無く、ロマサスでこの設定だと作者の手の内が読めてしまって損だと思うわ。

 とは言え、ロマサスの枠の中でサスペンスを最大限に描いていて、最後のどんでん返しまできっちり練られたストーリーは流石。ミステリアスで危険な雰囲気のヒーローが素敵だったし、危険な状況で惹かれあう二人のロマンスがスリリングで良かった。日本語のタイトルは意味不明だけど、原題の"Sting"は、この一語で内容を複合的に表していて秀逸だと思う。

Sting (English Edition)

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