ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 ダヴィド・ラーゲルクランツ

 スティーグ・ラーソンのミレニアム3部作を読んだのは随分前だけど、当時これはすごいミステリーだと夢中になって読んでいたことを覚えている。この4作目は別の作者が書いた続編なので本家より面白いということはないだろうけど、まあ読んでおこうかなと。

 この作者はラーソンの書いた3部作をかなり研究したそうで、キャラクターが別人みたいになっていることもなく、あまり違和感なく読めた。内容も前の3部作には及ばないけどよく考えられていて、かなり頑張っていると思う。

 でも話の運び方がいまひとつ下手で、テンポが良くないのよね。前半はなかなか話が進まなくて、後半に詰め込みすぎてる気がしたし、この作者は状況を描写するのでなく、登場人物のセリフで説明する癖があるのか、やたらと長くて説明的なセリフが多く、回りくどい印象。例えば、リスベットと双子の妹のカミラの関係について、彼女の元後見人がミカエルに話すんだけど、この人何でこんなことまで知ってるの?!というくらい細かいことまで全部ペラペラ喋って説明してるし、カミラの過去や家を出た後の消息を彼女の里親だった女性が、これまた一人で全部喋っちゃうのよ。リスベットとカミラの関係はこの作品の目玉の一つだと思うけど、その情報を明かすのに、第三者が全部一気に喋って伝聞の形で済ませちゃうのかと。全体的にミカエルに簡単に情報が舞い込んで来ている感じで、情報を探って推理を働かせる名探偵カッレくんはどこへいったのよと思ったわ。

 NSAが関わっていたり、壮大なストーリーで面白かったけど、スウェーデン味が薄れてアメリカのサスペンスみたいになっている気はした。前の3部作が傑作だっただけに、どうしても厳しいレビューになってしまうけど、思ったよりも良かったし、前作と比べなければ普通に面白いミステリーだと思う。リスベットとカミラの対決が気になるので続きも読むかな。

 

 

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