ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

ボーイズクラブの掟 エリカ・カッツ

 可愛いイラストの表紙には似つかわしくない暗めの内容で、名門大学のロースクールを出て一流の法律事務所に就職したヒロインが、高額の年収やステータスに魅せられ必死で働くうちに、出世を求める気持ちがモラルを押し潰して、コカインに手を出したり、上司との不倫に溺れるようになる過程を描いている。リーガル・サスペンスというよりも、「ブライト・ライツ、ビッグ・シティ」や「レス・ザン・ゼロ」のようなダークな青春ものに、MeTooの要素を加味したようなストーリーだと思った。色んな題材が盛り込まれていて、そのせいでいまひとつテーマが定まっていないようなところはあると思う。

 アメリカの巨大法律事務所の内部事情が興味深かったし、優等生タイプのヒロインが悪習に染まっていく様子がリアルで、どこまで堕ちていくのだろうとハラハラしながら読んでいた。ミステリーの要素はあまりなく、法律事務所の内幕暴露的な内容なので、好みが分かれそうだけど、華やかなエリート弁護士の世界の闇を捉え、享楽的な生活の中で自分を見失っていくヒロインの内面の変化を克明に描き出していて、なかなか読ませるストーリーだと思う。

The Boys' Club: A Novel (English Edition)

The Boys' Club: A Novel (English Edition)

  • 作者: Katz, Erica
  • Harper

 

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