ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

公爵夫人のボディガード スカーレット・スコット

 公爵の夫が秘密結社に暗殺されたことで妻のヒロインにも危険が迫り、政府がボディガードとして寄越したのが元恋人のヒーローだった・・というストーリー。(暗殺するのにわざわざ政府に声明を送り付けるなんてバカな結社だなと思うけど、ロマンス小説なのであまり細かいところに拘るべきじゃないわね。)二人は昔愛し合っていて、公爵の庶子と伯爵令嬢という身分違いの恋にもかかわらず結婚するつもりだったのに、何やら誤解が生じて別れてしまいヒロインは別の男性と結婚したらしい。

 後半に入るまでずっと誤解が解けず、二人は険悪な関係のままなので、恨みがましいヒーローのモノローグがややくどいように感じた。途中に過去のエピソードが挟まっているから憎みあっている描写ばかりではないので良いけど、もう少し早く和解しても良かったんじゃないかと思う。それでも、相思相愛だったのに別れてしまった恋人同士の再会というのはかなりオイシイ設定だし、ロマンス小説では内省的でモノローグ多めのヒーローが好まれる傾向にあるので、こういう作風が好きな読者は多いんじゃないかな。Hotなロマンスが好きな方におススメ。

 以下ややマニアックな話題。この作家、ラブシーン多めでやけにHotな作風だと思ったら、以前はEllora's Caveで書いていたみたい。(Ellora's Caveというのは、エロティック・ロマンスに特化した電子書籍メインのアメリカの出版社で、リサ・マリー・ライスやシルヴィア・デイ、ローラ・リー等もいて一時期はかなり人気があったけど、kindleと競合して衰退し倒産した。)その後もずっとインディーズ系の出版社や自費出版で刊行しているらしく、読んだ感じでは、やはり大手出版社が契約するタイプの作家ではないなという印象。何しろ1年に10作以上書いているようなので、質より量という感じでストーリーがちょっと浅いし、文章も特別上手くはないように思うけど、正確な時代考証や史実を織り交ぜたストーリーを期待せず、ロマンスを楽しむぶんには良いと思う。 

 

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