ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

地上最後の刑事 ベン・H・ウィンタース

 10年以上前だけど、セス・グレアム・スミスが書いた「高慢と偏見とゾンビ」というJ・オースティンの名作にゾンビを登場させたマッシュアップ小説がベストセラーになって、翻訳も出ていたから私も当時読んだのよね。確か映画化もされたと思う。そして大ヒットに気を良くした出版社がシリーズ化していたらしく、別の作者が”Sense and Sensibility and Sea Monsters"や”Android Karenina"という続編を書いていた。(翻訳は出ていない)

 Pride and Prejudice and Zombies (English Edition) Sense and Sensibility and Sea Monsters (Quirk Classics Book 1) (English Edition) Android Karenina (English Edition)

 その作者というのがベン・H・ウィンタースで、こんな二番煎じの小説を書いていたということは当時はあまり売れてなかったんだろうけど、その後出世して、「地上最後の刑事」でエドガー賞を受賞したとのこと。デビュー作がマッシュアップ小説だったからか「地上最後の刑事」も、終末もののSFと殺人ミステリーを掛け合わせた独特のストーリー。斬新な発想だけど、地球が滅びるかもしれない時に刑事が熱心に殺人事件を捜査しているというのは何だかしっくりこなくて、いまいちストーリーを楽しめなかった。男がマクドナルドのトイレで首を吊った事件で、自殺のように見えても殺人に違いないと確信した刑事が捜査で事実を暴いていくミステリー自体は面白いと思う。文庫で400頁足らずの作品で、短くまとまっているから読みやすい。3部作で全部翻訳が出ているということは、この一風変わった設定がウケたんだろうね。自分の好みとはちょっと違ったけど・・。(ちなみに早川書房が8/25まで電子書籍のセール中で3作とも半額になってます。)

 終末もののSFと言えば、先日アマゾン独占配信の映画"ムーンフォール"を見たけど、期待外れでガッカリ。突っ込みどころありすぎのストーリーで、"インデペンデンス・デイ"や"デイ・アフター・トゥモロー"の監督が作ったとは思えない残念な作品だった。これだったらNetflixの"ドント・ルック・アップ"のほうが、ブラックユーモア満載のストーリーが独創的で良かったな。

 

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