ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

法人類学者デイヴィッド・ハンター サイモン・ベケット

 医師で法人類学者でもある主人公が、殺人事件で死体の状態を分析し、警察の捜査に協力するシリーズもののミステリー。サイモン・ベケットはイギリスの作家で本国ではかなり人気があるらしい。原書は全6作のシリーズで、最初の3作が翻訳されている。

 主人公のデイヴィッドは妻と幼い娘を交通事故で亡くし、悲しみを乗り越えるため、心機一転ロンドンから田舎町へ引っ越してきて、町の診療所で医師の仕事をしている。ありがちなキャラクター設定だけど悪くはない。平和な町である日、女性の死体が発見され、デイヴィッドは捜査に関わることに。腐敗した死体の状態が詳細に描写されていてグロいけど、残虐な犯行はインパクトがあってストーリーに引き込まれたし、田舎町の人間模様も面白かった。とは言え全体的には割と典型的な連続殺人ものという感じで、先が読めてしまう展開も。例えば、糖尿病で毎日インスリン注射が必要な女性の登場人物が、主人公と恋仲になった時点でフラグが立ったも同然で、次の被害者は彼女に違いないと、たいていの読者は気付くと思う。それでも犯人捜しの過程は楽しめたし、実行犯は注意深く読んでいればある程度予想がつくかもしれないけど、意外な黒幕には驚かされた。設定自体はそれほど目新しいものではないけれど、手堅くまとまっていて、そこそこ面白いミステリーだった。

The Chemistry of Death (David Hunter)

The Chemistry of Death (David Hunter)

  • Beckett, Simon
  • Open Road Media

 

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