ロマンス小説感想日記

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海外ミステリー、ロマンス小説のブックレビュー

判決破棄 マイクル・コナリー

 刑事弁護士のミッキー・ハラーが、特別検察官として24年前の事件の再審に挑むストーリー。ミッキーを検察官として働かせるために無理やり捻り出したような設定で、元妻のマギーを補佐につけて、調査員として腹違いの兄ハリー・ボッシュを使うという、スタッフを身内で固めた人事も都合良すぎる気がするけど、読者としてもお馴染みのキャラクターが活躍するほうが楽しいからまあいいか。

 24年前に少女が誘拐され殺害された事件で、犯人は逮捕されて有罪判決を受けたけれど、新たな証拠が出てきて判決が破棄され、再度裁判にかけられることに。相手側の弁護士が鼻持ちならない嫌な奴で、卑怯な手を使ってくるのはお約束だわね。それでもミッキーが相手の汚い手を見抜き、先手を打ってこてんぱんにやっつけるのが爽快だった。流石ミッキー。ところがそれでは終わらず、とんでもない事態に!それからはハリー・ボッシュが大活躍。

 終盤の急展開には本当に度肝を抜かれたわ。劇的すぎてツッコミどころはあるけど面白かった。やはりハリー・ボッシュは作者のお気に入りのキャラクターなんだなと改めて思った。ミッキーが主役なのに、おいしいところをハリーが持ってくのよねえ。慣れない検察官として頑張って仕事したのにこの結末って・・気の毒なミッキー。でも検察官として大成功を収めたりしたら、それはそれで何か違う気がするし、こういう踏んだり蹴ったりな目に遭うのがいかにもミッキー・ハラーだわね。 

 

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