リンカーン・ライムのシリーズは、最初の数冊を昔読んだけど、もうあまり内容を覚えてないな。20年以上続いてる長寿シリーズで、今でも単行本で発売した後に文庫化という順で刊行されているので人気があるんだろうね。久しぶりに読んでみたけど面白かった。
インクの代わりに毒薬を使い、拉致した被害者にタトゥーを彫って殺害する連続殺人鬼って恐ろしすぎるな。タトゥーに関する蘊蓄が色々と興味深く、そんなに血や体液が飛び散るものなんだと驚いた。ボーン・コレクターの模倣犯らしき殺人者が現れるというストーリーだけど、「ボーン・コレクター」だけでなく「ウォッチメイカー」も関連してるのね。そっちは読んでなかったわ。
犯人の正体はまさかの人物だし、その後もさらに予想外の展開が続いてビックリ。どんでん返しが売りの作家だけあって、終盤の展開は神懸ってた。
「ボーン・コレクター」はデンゼル・ワシントンとアンジェリーナ・ジョリー主演で映画化されていて私も当時見たんだけど、そのせいで小説を読むときもリンカーン・ライムはデンゼル、アメリアはアンジェリーナのイメージになっちゃうのよね。でも小説の設定ではリンカーンは白人男性だし、アメリアは赤毛だからしっくりこない部分もある。思えばこの映画って、近頃よく言われている Color-Blind casting (人種や肌の色を考慮せず配役を決めること)の先駆けだったんじゃないかしら。1999年の映画だということを考えると画期的だわね。最近は歴史もので英国貴族の役をアフリカ系の俳優が演じたり、何でもありになっていて、個人的にはColor-Blind casting よりも時代考証を優先させたほうがいいと思う。デンゼル・ワシントンは確か今年、マクベスの役でアカデミー賞にノミネートされてなかったっけ。アフリカ系のマクベスってシェイクスピアもビックリよね。
D・ワシントンは割と好きな俳優だしリンカーン役にも意外とハマっていて、映画としては良かったと思う。