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証言拒否 マイクル・コナリー

The Fifth Witness (A Lincoln Lawyer Novel Book 4) (English Edition)

The Fifth Witness (A Lincoln Lawyer Novel Book 4)

  • Connelly, Michael
  • Little, Brown and Company

 

  リンカーン弁護士シリーズ4作目。5、6作目を先に読んでいるので、若干ネタがバレている部分はあるけど面白かった。不況で刑事弁護の仕事が減ってしまったミッキーは民事訴訟に着手し、ローン不払いによる住宅差し押さえ案件に取り組んでいたところ、何と依頼人が銀行の担当者を殺害した容疑で逮捕されてしまう。

 この依頼人の女性が弁護士の言うことを聞かず勝手な行動ばかりしている困ったちゃんで本当にイラつくのよね。こんな顧客に我慢しなくちゃならないなんて弁護士も大変だわ。検察側の証拠は強固で無罪を勝ち取るのは困難な状況だけど、調査で明らかになった事実をうまく活用し、反則スレスレで判事に何度も注意を受けながらも必死で弁護するミッキーが素晴らしい。弁護の戦法が本当に凄いのよ。実際真犯人が誰なのかわかっていないし、被告人が本当に無罪なのかも確信が持てていない状況で、手持ちの駒を使って合理的な疑いを捻り出すのよね。法廷サスペンスは結構たくさん読んでいるけど、この展開には本当に感嘆した。これほど凄い法廷戦略はなかなかお目にかかれないわ。まさに神業。ショッキングな結末には打ちのめされたけど、それもまた良しということで。最初から最後まで裁判の面白さが詰まっていて法廷サスペンスを堪能できる傑作だと思う。

 

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Amazon.comの記事に今年発売予定のミステリーの人気シリーズが色々掲載されていたけど→Countdown to favorite returning mystery series 11月にリンカーン弁護士の新作が出る予定らしい。翻訳が出るのはそれよりだいぶ後だろうけど楽しみだなあ。上の記事を見ると、以前は翻訳が出ていたけど途中で刊行が止まってしまったシリーズが多いのよね。これが全部翻訳されてたらいいんだけどねえ。ジョン・サンドフォードはアメリカで新作がいつもベストセラーになっているから読んでみようと思って1作目(かなり古い)を買ってみたけどずっと積んだままだわ。あとジョナサン・ケラーマンも積読本の中に埋もれてるから今度読もう。それでもこのリストの1/3くらいの作家は読んだことがあったので、まあまあ読んでるなと。リストにはないけど、デイヴィッド・バルダッチの完全記憶探偵のシリーズも原書は昨年末に7作目が出ているのよね。(翻訳は2作のみ) 動けるデブのエイモスが気に入っているので続きが読みたいし、この作家は他にも面白そうなシリーズを書いているので翻訳を出してほしいなあ。

 

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