コルター・ショウ 1作目。ちなみにこのシリーズは、"TRACKER" のタイトルでドラマ化されて米国CBSテレビで現在放映中。主演はジャスティン・ハートリーというそこそこイケメンな俳優さん。小説でもコルターは映画俳優のようなハンサムということだったのでイメージには合っているんじゃないかしら。日本でもそのうちどこかで配信されるかもね。プロデューサーはベン・H・ウィンターズで、聞いたことある名前だなと思ったら、小説も書いていて以前「地球最後の刑事」を読んだことがあった。
この作者らしい二転三転するストーリーのサスペンスで普通に面白かったけど、キャラクターとしては、コルター・ショウはアクションものの主人公によくいるタイプで、比べるとリンカーン・ライムのほうがやはり個性が際立っていると思う。コルターはサバイバリストの親に子供の頃から鍛えられていたため人を追跡するのが得意で、懸賞金稼ぎを仕事にして各地をトレーラーで放浪しているという変わった経歴の持ち主で、作者も特徴を出そうと頑張って色々設定を盛っているんだろうけど、基本的にはジャック・リーチャー系のさすらいのヒーローだなと思いながら読んでいた。
ゲームを模倣した殺人というのは、他の小説でも読んだことがあるし(少し前に読んだP・J・トレイシーの「天使が震える夜明け」とか)サスペンスでは時々見かけるテーマだけど、人気作家のJ・ディーヴァーだけあって、なかなか興味深い内容が盛り込まれていて面白かった。中国のゲーム会社が政府と繋がっているんじゃないかと疑うのはもっともよねぇ。一筋縄ではいかない事件で、犯人候補がうじゃうじゃいて先が読めず面白かった。今回コルターが親密になった女性が(例によって一回りくらい若い美女)ゲーム実況を仕事にしているプロのゲーマーというのも興味深かった。ゲーム好きな人ならより楽しめると思う。事件は一件落着したけど、父親の死の謎については最終作まで引っ張るんだろうね。
(追記)
TRACKERは6月末にdisney+で配信開始