グラント郡シリーズ２作目。小児性愛者の話で前作よりも残虐さと胸糞悪さがUP。おぞましい事件が衝撃的で話に引き込まれ面白かったけれど、ストーリーの緻密さよりも事件のインパクトを重視して、グロいネタを盛りに盛って勢いで読ませているようなところはあると思う。被害者の心理面に関してはそこまで深く斬り込んでいないので、若干説明不足に感じるところがあり、色々盛り込んだ内容が全て繋がって綺麗に終結するという感じではなかったけれど、この頁数を中だるみすることなくぐいぐい読ませるのは凄いと思う。
やむを得なかったとは言え、少女を撃ってしまったことで悩むジェフリーは気の毒だったけれど、サラとまたデートし始めたものの上手くいかず「もう彼女と一緒にいたいのかわからない」と思った矢先に、次に会った時には「やはり彼女を愛している」というのはちょっと支離滅裂じゃないかしら？寝間着のようなラフなTシャツで、ボサボサの髪で脚の毛も剃らずに仕事に来たサラが、ジェフリーに嫌味を言われてムッとする場面があったけど、深刻な事件の捜査中なのに、彼女の脚の毛深さに着目するジェフリーに笑った。サラは身なりに無頓着なズボラ女なのか。２人の関係をどうするのか作者もまだ決めかねているのか、キャラクターの方向性が定まっていないような印象だった。
前作の事件からまだ立ち直っていない刑事のレナには同情するけれど、その人間性があまり好きになれないのよね。完全なヒール役ではないけれど、素直に応援できない微妙なキャラクターが準主役級というのはどうなんだろう。
