ロマンス小説感想日記

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海外ミステリーとロマンス小説のブックレビュー

砕かれた少女 カリン・スローター

砕かれた少女 (マグノリアブックス)

砕かれた少女 (マグノリアブックス)

  • カリン・スローター
  • オークラ出版
Fractured: A Novel (Will Trent Book 2) (English Edition)

Fractured: A Novel (Will Trent Book 2)

  • Slaughter, Karin
  • Delacorte Press

 

 Will Trent 2作目。1作目は作者がグラント郡シリーズとは違う作品を書きたかったとのことで、叙述トリックを盛り込んだストーリー構成で新機軸を打ち出した感があったけれど、2作目はまたグラント郡シリーズと同じような路線になっているような。面白かったけど、この作家は女性がレイプされる話ばかり書いていてどの作品も同じような印象なので、もう少し毛色の違う事件も書いてほしいとは思う。

 女子高生が残虐に殺害された事件で、事件の要素の一つに識字障害も関連していて、自身も同じ障害を持つウィルの言動が興味深かった。被害者の父親がウィルと同じ児童養護施設の出身で因縁のある人物なのもストーリーを盛り上げる要素になっていたと思う。

 事件の捜査の過程も普通に面白いけれど、それ以上に個性的なキャラクターが織り成す人間ドラマが良く出来ていて、登場人物の私生活の部分が気になるものだから、次々と読んでしまうのよね。3作目を先に読んでしまったのが悔やまれるけど、本作を読んでウィルの相棒のフェイスについて色々納得がいったわ。ウィルはこの2作目ではアンジーと婚約している状態だけど、3作目ではもう結婚していたわよね。ついでに言えば1~2作目ではウィルは顔は十人並みとのことだけど、3作目ではハンサムな男ということになっていたから、サラが登場する3作目で作者が多少方向修正したんだろうね。