Will Trent 5作目。フェイスの母親に嫌疑がかけられた警官の汚職事件が意外な展開を見せるストーリー。シリーズが進むにつれて扱う事件の幅も広がって面白くなってきたわね。女性をレイプする連続殺人鬼の話ばかりではワンパターンで読者に飽きられちゃうもんね。
このシリーズは女性の登場人物が強烈で、特にウィルの上司のアマンダはかなりぶっ飛んでいるからウィルも大変ね。イヴリンは汚職事件の余波で誘拐されたのかと思いきや、予想外の展開に驚かされた。あの結末は若干無理があるような気はしたけれど、作者はきっと家族愛を書きたかったのね。フェイスが娘のエマを可愛がる描写がまことしやかで、自分の娘が小さかった頃を思い出したわ。グロい事件の話ばかり書いている作家だけど、そういうところは女性作家らしいわね。今回ウィルはサラと良い感じになっていたけれど、性悪妻のアンジーがいるから一筋縄ではいかず、前途多難な2人の関係が気になるわ~。
ところで、警官の汚職と言えば、昔「ザ・シールド ルール無用の警察バッジ」というドラマが好きでよく見ていたのよね。主役のヴィックが凄いキャラクターで、あそこまで突き抜けた悪徳警官はなかなかいないと思う。