Will Trent 6作目 ウィルの過去が明らかになる内容でとても面白かった。アマンダが担当した過去の事件と現在の事件が並行して語られ、警察で女性が差別されていた1970年代に若かりし頃のアマンダが奮闘する姿を描いているのが印象的だった。K・スローターがこれの後に書いた「警官の街」も70年代のアトランタ警察で差別に屈せず頑張る女性警官の話だったな。私は「警官の街」の主人公のマギーとケイトよりも、本作のアマンダとイヴリンのほうが好きだわ。いつもウィルを苛んでいるアマンダはおっかない上司という印象だったけれど、若い頃はひたむきに仕事をしていたのね。
刑務所に入っていた父親が釈放されて苦悩するウィルが気の毒で同情せずにいられない。父親が殺人犯だとサラに知られ、二人の関係も終わりだと絶望するけれど、サラは辛い状況を生き延びて立派な大人になったウィルを尊敬し、より愛するようになる。ドラマティックな展開が良かった。このシリーズはどんどんロマサスっぽくなってきているわね。