この作家は昔のほうが面白かったと思うけど、これも興味深い内容で悪くなかった。主人公の司法審査会の調査員レイシーも、FBIのパチェコもなかなか魅力的な人物で良かったけど、語り口が淡々としているので、感情移入はしづらいかなあ。グリシャムってこんな作風だったっけ?この内容ならもっと盛り上がりそうなものだけど、読者をハラハラさせるような書き方ではなく、事実を淡々と述べているような印象でノンフィクションのような感じ。ストーリーは面白いし文章は整然としていて読みやすいのでサクサク読めるんだけどねぇ・・。この作家と、熱血すぎる作風のロバート・ベイリーを足して2で割ったらちょうど良いかも、と思いながら読んでいた。
先住民が居留地でカジノを経営しているというのは昔からよく聞くけど、これはマフィアも関わる大がかりな不正で、死人も出るほどの凄い陰謀がかなり興味深かった。普段は地味な仕事をしている調査員のレイシーが、とんでもない事態に巻き込まれて奮闘するのが良かった。イケメンのFBI捜査官が彼女の案件に興味を示し、ついでに彼女のことも気に入って、捜査で活躍しながら美人なガールフレンドもゲットするという展開で、美味しい役どころだったわね。原書は2作目まで出ているので、続きが翻訳されたら読みたいな。