Jason Richシリーズ1作目。この作家に少し飽きてきたところだけど、新シリーズなので一応読んでみた。主人公のジェイソンはバツイチのアル中で、民事訴訟で賠償金を勝ち取ることで儲けている弁護士。(とは言え民事だとあまり話が盛り上がらないので、刑事裁判に臨むことになるんだけど。) これまでのシリーズとは違うタイプの主人公にしたことは評価出来るけど、ありがちなキャラクターでちょっと面白味に欠けるかなあ。幹線道路沿いにデカい看板を何枚も掲げている (日本のインプラント歯科みたい) 稼ぎの良い弁護士ということだから、ドラマの "ベター・コール・ソウル" の弁護士くらいはっちゃけたキャラクターだったら面白かったかも。まあ何だかんだ言っても法廷ミステリーは好きなので、読み始めれば結構楽しくてどんどん頁をめくってしまうんだけどね。
ジェイソンは、仲が悪くて疎遠だった姉が夫の殺人容疑で逮捕されたため、初めて刑事裁判の弁護を引き受けることになる。姉は人間性に問題のある残念なキャラクターで、ジェイソンも彼女が本当に無罪なのかわからずに弁護しているから、これまでの作品のように正義のために戦う弁護士という感じではないけど、これはこれで面白いと思う。捻り方がちょっとわざとらしい気はしたけど、二転三転するストーリーで最後まで飽きずに読めた。
巻末の解説の人が、最近は法廷ミステリーが不況みたいなことを書いていたけど、確かにそうよね。原書は面白そうな作品がたくさん出ているのに、あまり翻訳されていなくて、ジョン・グリシャムでさえ未訳の作品がいくつもあるもんねぇ。法廷ものはスパイものとかに比べると地味だから人気ないのかな。最近だとスティーヴ・キャヴァナーの「弁護士の血」が割と面白かったけど、続きが刊行されないのよねぇ。

