面白くて読むのを止められずに寝不足になるようなミステリーは久しぶりだなぁ~。これは傑作。フィリップ・マーゴリンは法廷ミステリーで定評のある作家で昔は色んな出版社が翻訳を出していたらしいけど、最後に出たのが2004年で約20年ぶりの刊行らしい。これは原書が2014年の作品で、何故もっと新しいのを出さなかったんだろうと思ったけど、最近はシリーズものをずっと書いているみたいで、少し古いけど単独作のこの作品を敢えて出したのかなと思った。
ウエディングドレスを着た女性が銃を持っている写真から始まるミステリーで、未解決だった事件の真相が10年越しに明らかになるストーリーが良く出来ているし、キャラクターも一癖あり興味深くて引き込まれた。
主要な登場人物の一人である検事補のジャックは、有能で負け知らずだったのに死刑が絡む重要な裁判で被告の代理人の女性弁護士の美貌に目がくらみ、とんでもないヘマをやらかしたりするところがリアルで、仕事人間で女性と幸せになれない不幸体質なキャラクターが自分好みだった。彼とキャシーのロマンスめいた関係性が非常に面白く、男性の作家なのに微妙な感情を上手く描いていると思った。
関係者の動機を探って犯人を見つけ出す類の事件で、派手さはないけれど人間関係がとても興味深く、事件の真相が気になってどんどんページをめくってしまった。430ページという程よい長さで中だるみすることなく上手くまとまっていた。最近のジョン・グリシャムなんかよりずっと面白いと思う。この作家が気に入ったので他の作品も読んでみたいから翻訳を出してほしいなあ。

