この作者のデビュー作「イヴリン嬢は七回殺される」は確かに凄いミステリーだったけど、だからと言ってこの作家が特別気に入ったわけでもなかったので2作目の「名探偵と海の悪魔」は読んでいなかった。
この3作目は図書館の新刊コーナーにあったのが目に留まったので借りてみた。あらすじや登場人物一覧を見ずにいきなり本文を読み始めたら何だかよくわからなくて、なかなか話が頭に入って来なかった。みんなが会話している"わたし"って一体誰??と思い、カバーに書かれたあらすじを見てみると、世界が滅亡して100人程度の住民が住む島だけが残り、その住民たちは頭にインプラントされたAIに管理されているという。"わたし"というのはAIだったのか。やはりこの作家はちゃんと設定を把握して読み始めないとダメだな。"エービイ"というのがAIのことだとわかったら話についていけるようになり面白くなってきた。
アポカリプスSFのような設定に殺人ミステリーを掛け合わせたストーリーで、殺人犯を見つけ出さないと人類が完全に滅亡してしまうので、島の住民の女性が探偵役になって捜査するのだけど、設定が特殊すぎてあまり推理する気が起きなかった。それでも犯人が判明した時にはおぉ~と思ったし、一応家族の絆を描いたファミリードラマ的な展開も盛り込まれていて、読み物として面白かった。「イヴリン嬢~」よりはこちらのほうが読みやすかったかな。(翻訳はやはりあまり日本語が滑らかではなく、意味不明な箇所もあってイマイチだった。この訳者さんの文章は苦手だ・・。)こういう凝った設定のミステリが好きな人にはハマる内容だと思う。

