ロマンス小説感想日記

翻訳ミステリー&ロマンス小説感想日記

海外ミステリーとロマンス小説のブックレビュー

罪悪の王子たち 呪われし玉座 ケリー・マニスカルコ

罪悪の王子たち 呪われし玉座 (上)

罪悪の王子たち 呪われし玉座 (上)

  • ケリー・マニスカルコ
  • 竹書房
罪悪の王子たち 呪われし玉座 (下)

罪悪の王子たち 呪われし玉座 (下)

  • ケリー・マニスカルコ
  • 竹書房
Throne of the Fallen (Prince of Sin Book 1) (English Edition)

Throne of the Fallen (Prince of Sin Book 1)

  • Maniscalco, Kerri
  • Little, Brown and Company

 

 画家のヒロインとデーモンの王子のロマンスを描いたファンタジーだけど、摂政時代のイギリスを模した世界が舞台となっていて、貴族の館で開かれる煌びやかな夜会や退廃的な仮面舞踏会、体面を保つための見せかけの婚約等、序盤はヒストリカル・ロマンスそのもの。その後、主役カップルが人間界から魔界へ移動すると、熾烈なゲームが繰り広げられるアクション満載のファンタジーの世界へ突入するという、一粒で二度美味しいストーリー。デーモンやヴァンパイア、シェイプシフター等、色んな種族が出てきて独自の世界観を持つストーリーが良く出来ている。官能的なシーンが多く、ホットなロマンスが好きな方におすすめ。

 

 こちらはNetgalleyで発売前の原稿を読ませて頂きました。竹書房さんありがとうございます。上記の感想は出版社に送ったものです。

 

 以下は補足

 本作はこれまでヤングアダルト小説を書いていた作者が大人向けの小説に挑戦した作品だそうで、張り切って書いたのかロマンスは欲望先行型でかなりHotな内容だけど、そのぶん感情面がやや疎かになっているところはあるかなと。ロマンタジーのジャンルに分類されているけど、どちらかというと従来のパラノーマル・ロマンスのような感じで、古参のロマンス小説ファンも読みやすいと思う。

 ロマンタジーとパラノーマル・ロマンスの違いについて、何か定義のようなものがあるのか気になって調べてみたところ、ロマンタジーは基本的にヒロイン視点の一人称で書かれていて、数作にわたるシリーズでも同じ主人公で話が続き、ファンタジーの要素により独創的な世界観が求められるらしい。対してパラノーマル・ロマンスは、基本的に三人称で書かれていて、ヒロインとヒーロー双方に同じくらい焦点が当てられ、主役カップルのロマンスはたいてい1作で完結し、シリーズの場合はそれぞれの作品で別のカップルの話が描かれるとのこと。

 ブームの火付け役となった「フォース・ウィング」はまさにこのロマンタジーの定義どおりで、ヒロイン視点で書かれていて、2作目以降も同じ主人公で話が続いている。ベストセラーになっただけありとても面白かったけれど、やはりヒロインの一人称はやや読みづらく感じた。この「罪悪の王子たち」はロマンタジーというより内容的にはパラノーマル・ロマンスに近く、3人称で書かれていてカップルの双方の視点を取り入れているし、主役カップルのロマンスはこの1作で完結して次作は別のデーモンの王子の話になる。ヒストリカルの要素もあるしロマンスはHotだし、竹書房のラズベリーブックスの読者に合いそうな内容だと思った。 

 

Goodreadsで過去3年間に人気のあったRomantasy88冊の中に本作も入っていましたよ。

Readers' 88 Favorite Romantasy Books of the Past Three Years

 

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