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海外ミステリーとロマンス小説のブックレビュー

黒い空 アーナルデュル・インドリダソン

黒い空

黒い空

  • アーナルデュル・インドリダソン
  • 東京創元社

 

 エーレンデュル捜査官シリーズ10作目(1~2作目は未訳) 前作からひき続きエーレンデュルは休暇中という設定で、若い捜査官のシグルデュル・オーリが主人公になっていた。

 このアイスランド語の原書は2009年の刊行でリーマンショックの直後だから、アイスランドの金融バブルでボロ儲けする銀行マンの話はタイムリーで本国では話題になったに違いないわね。今となってはリーマンショックは一昔前の話だから、原書と翻訳の刊行のタイムラグを実感させられたわ。英語版は2012年に出ているからせめてそれと同じくらいの時期に発売していたら良かったのに。でもなかなか興味深い内容で面白かった。アイスランドのような小さな国がイギリス等の大企業をどんどん買収していた時期があったなんて知らなかったので驚いた。

 主人公のシグルデュル・オーリは別れた奥さんに未練があったり、アメリカかぶれでハリウッド映画やアメリカのスポーツ中継ばかり見ていたり、とてもリアルなキャラクターで人間味があった。超有能というわけではないけれど仕事ぶりもまあまあで、こういう警官、実際にいそうだなと思わせる人物造形が上手いと思った。

 原書の情報を調べてみると、次作ではエーレンデュルが戻って来て再び彼が主役となり、それでこのシリーズは一旦終了し、その後は1970年代が舞台の若かりしエーレンデュルを主人公としたシリーズが3作出ていた。

 

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