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海外ミステリーとロマンス小説のブックレビュー

螺旋墜落 キャメロン・ウォード

螺旋墜落 (文春文庫 ウ 25-1)

螺旋墜落 (文春文庫)

  • キャメロン・ウォード
  • 文藝春秋
Spiral: One of The Times Top Ten Thrillers of 2024 (English Edition)

Spiral

  • Ward, Cameron
  • Penguin

 

 これは・・駄作じゃない?図書館で借りた本なので途中まで読んでもう返却しようかと思ったけどページ数がそこまで多くないので一応流し読みで読了。以下多少ネタバレあるかも。

 

 "ノンストップ航空SFサスペンス!" という触れ込みだけど、家族間の問題がサスペンスに繋がっていて人間ドラマにも多くのページが割かれているので、そこまでスピード感のあるサスペンスではないと思うし、その家族ドラマがあまり面白くないのでサスペンスにもそれほど興味を持てなかった。

 準主役である飛行機の副操縦士がどうしようもない甘ちゃんで、彼のバカさ加減にうんざりしてしまうのよ。これがティーンエイジャーだったらまだ父親に拒絶されてヤケになるのもわかるけど、パイロットになる程の知性があるいい大人がとる行動とは思えないのよね。家族愛を描きたかったんだろうけど、こんな息子のために命がけで尻ぬぐいをする母親に対して、息子の自業自得なんだから放っておけばいいのにとしか思えなかった。しかもこの結末は何なのよ。この息子が恋人と幸せになるなんて全くもって納得いかないわ。息子の不始末のせいで親が犠牲になって終わりってあんまりじゃない?せめて墜落を止めようとするのが息子本人だったら良かったのに。

 調べてみたらこの作家は以前はAdam Southwardという名前でミステリーを書いていたけどあまり売れなかったのか、今はペンネームをCameron Wardという一見性別のはっきりしない名前に変えて女性が主人公のサスペンスを書いているみたい。ライリー・セイガーなんかと同じパターンでそれで成功した作家も多いけど、この作家はペンネームを変えたからと言って売れたわけではなさそう。この作品も家族ドラマや恋人との関係なんかを描いて女性向けサスペンスっぽくしているけどキャラクターに魅力がなくて面白くないのよ。

 タイムループものならジリアン・マカリスターの「ロング・プレイス・ロング・タイム」のほうが家族ドラマも良かったしサスペンスにも捻りがあって面白かった。タイムループして息子のために奔走する母親のストーリーという基本的なところは同じで、そこに飛行機の墜落という要素を足したのが「螺旋墜落」だけど、何だか人気作の二番煎じという印象で、二流の作家が書いた残念な作品に思えた。

 

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