Tony Hill & Carol Jordan シリーズ 1作目。 以前読んだこの作家の「過去からの殺意」が面白かったので、ゴールド・ダガー賞を受賞してドラマ化もされているこちらのシリーズも読んでみることに。この作家の出世作だけあってかなり面白かった。
男性ばかりを狙う連続殺人で捜査に行き詰った警察が、内務省のプロファイラーに協力を仰ぎ犯人の正体を突き止めようとする。連続殺人の犠牲者は女性というパターンが多いけど、これは男性なのが珍しい。女性警部補のキャロル・ジョーダンが心理分析官のトニー・ヒルとの連絡役になって一緒に事件解決に奔走するストーリー。
この作家は急進的なフェミニストということなので、キャロルは女傑のようなキャラクターなのかと思いきや、普通に感じの良い女性だった。一緒に仕事をすることになったイケメンで性格も良いトニーに好意を持ち、ちょっと粉をかけてみたらやんわり断られてションボリしたりとか、親しみを感じさせるキャラで気に入った。若くして出世しただけあって美人なだけでなくかなりの切れ者で、トニーに鋭い指摘をしたりする優秀な刑事なのが良かった。トニーは容姿端麗なのにダサいスーツを着た変わり者で、キャロルのことを憎からず思っているけれど、過去の恋人に行為が下手だと指摘されたトラウマで不能(!)になって、女性と関係を築くのに及び腰になっているという。いや~面白いな。主役の男性が不能って、男性の作家だったらこんな設定は考え付きもしないんじゃないかな。でもそんなヘタレなトニーのキャラクターが気に入ったわ。不能を改善しようと努力していて、それが事件にも関連しており、なかなか面白い展開だった。
犠牲者を恐ろしい器具で拷問して殺す残虐な殺人で、事件の不気味さはかなりのインパクトがあった。警察内の人間関係も興味深く、身勝手で部下に嫌われている上司やら、記者に情報を流す警官やら、色んな人がいて面白い。トニーの不能(笑)がちゃんと治ったのか気になるし、キャロルとトニーは良いコンビで気に入ったので、そのうち続きも読むとしよう。古い作品だけど刊行当時は結構人気があったようで、面白いので未読の方は是非どうぞ。
↓ドラマはDVD化されて日本語版も出ている。



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