レベッカ・ヤロスの最新作!二見書房さんはもうロマンス小説の文庫は止めたのかと思っていたけど出してくれて有難い。最近こういう普通のコンテンポラリー・ロマンスはあまり翻訳されなくなってしまったけど、ロマンタジーよりも読みやすくて好きなのでもっと出してほしいなぁ。800ページ超でかなり分厚いけど活字が大きめなのでそこまで長さは感じなかった。「フォース・ウィング」に比べれば短いし、読み始めたら面白くてあっという間だった。
ヒロインのアリーはバレリーナでヒーローのハドソンは沿岸警備隊の水難救助隊員。バレエ界の名門一家に生まれたアリーは子供の頃から一流のバレリーナになるために練習漬けの毎日を送っていた。ティーンエイジャーの時に、彼女が妹と乗っていたボートが転覆したところを、たまたま近くにいたハドソンが助けて2人は出会う。あまり他人に心を許さないアリーもハドソンには打ち解けて親友同士になるけれど、何やら深刻な出来事があって、その後ずっと会うこともなく10年が過ぎ・・というストーリー。
2人の間には複雑な事情があり、住む世界も違うのでロマンスも一筋縄ではいかず面白かった。アリーの母親や姉妹との関係も色々と問題山積で家族間の人間ドラマも読みごたえがあった。スーザン・エリザベス・フィリップスみたいな感じのストーリーかな。訳あって恋人同士のふりをすることになったりするところは典型的なロマンス小説だわね。ハドソンはアリーを心底愛していてメロメロ状態。アリーのほうは心に壁を作って彼を寄せ付けないようにしていてやや高飛車な印象。基本的にはハンサムで優しいヒーローがツンデレヒロインの心を溶かす甘くてホットなロマンスかな。私はあまりバレエには詳しくないけど、バレエ好きな人ならより楽しめると思う。とは言え特に専門的な話があるわけではなく、一般の人がバレエに抱くイメージ通りの世界が描かれていたと思う。ハドソンが隠している秘密を最後まで引っ張って驚かせたり、ストーリーの構成も飽きないように工夫されていて面白かった。
この作家の「フォース・ウィング」はamazonがドラマ化予定で、Netflixは "In the likely event" を映画化予定らしいけど、それに加えamazonが "The last letter" と、この "variation" も映画化予定らしく、最近はハリウッドが注目するロマンス作家の一人になっている。Rebecca Yarros' Variation Movie Set at Amazon, It Ends With Us Writer
"The Last Letter" は感動的なストーリーみたいで面白そうだから翻訳を出してほしいなあ。The Last Letter Movie: Rebecca Yarros Book in the Works at Amazon
早川書房さんはロマンタジー推しだから普通のロマンスは出さないか。(昔は早川にもイソラ文庫というロマンスのレーベルがあったのに・・。)

