ミステリーとしてはとても良く出来ていて面白かったけど、主人公のフィオナと彼女の恋人のキットのキャラクターがあまり好みではなかった。フィオナは犯罪心理学者だけど、データを分析してパターンを割り出すような手法がメインなので、この作家の別シリーズの主人公でプロファイラーのトニーが犯罪者の心理に入り込むようなやり方と比べるとやや面白味に欠けると思う。むしろフィオナとキットの友人で警部補のスティーヴのキャラクターが一番気に入った。仕事と結婚しているような彼に遂に恋人が出来たと思ったら、肝心な時にその彼女がとんでもないことをやらかしたりするのが面白かった。
人気のミステリー作家が自身の著書に書いているのと同じ方法で次々に殺害されるという事件はなかなか興味深く、真犯人の正体にも驚かされたし、最後まで気の抜けない展開が良かった。警察の酷いミスで犯人が野放しになったり、見当違いの捜査をしたりするのが歯がゆいけれど、それが却ってリアルで面白かった。

