ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

自由研究には向かない殺人 ホリー・ジャクソン

 イギリスの作家が書いたヤングアダルト向けのミステリー。同じ系統でアメリカの作家カレン・M・マクマナスの「誰かが嘘をついている」も割と面白かったけど、本作ははそれ以上に良かった。YAにしては謎解きがかなり良く出来ているし、主人公のキャラが良い。

 イギリスの小さな町の女子高生ピッパは学校の自由研究のテーマに、自分の住む町で5年前に起きた殺人事件を選んだ。それは男子生徒のサルがガールフレンドのアンディを殺した後に自殺した事件で、サルを知っているピッパは優しい彼が殺人を犯したなんて信じられなかった。そのため自由研究で事件を再調査して彼の無実を証明しよう決心し、サルの弟のラヴィと協力して事件の関係者に接触し情報を集めることに。

 ピッパは真面目で勉強熱心な生徒で、事件のせいで村八分にされているインド系のサルの一家を気遣う誠実な人柄がとても良かった。Facebookの投稿を辿って証拠を見つけるところがいかにも今どきという感じで面白い。殺されたアンディは可愛くて人気者だけど裏の顔があり、欧米の高校生の非行の闇は深いと思い知らされる。賢い女子高生が知恵と行動力で事件の真相を探り出すのが爽快で、信念を持って不正を正そうとする姿勢に心を打たれた。ピッパは誰もが応援したくなる好感度の高いキャラクターだと思う。(昔見ていた女子高生探偵のドラマ「ヴェロニカ・マーズ」をちょっと思い出した。)意外な事実が判明し二転三転するストーリーが上手く、ミステリーとしての完成度も高いので、大人が読んでも面白いと思う。

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私は以前、夫の転勤でアメリカに住んでいたことがあり、子供を現地のミドルスクールとハイスクールに通わせた経験があるのだけれど、アメリカでは中高生にも麻薬が浸透していて本当に怖い。ミドルスクールが2年制(日本の中1と中2)で、ハイスクールが4年制(日本の中3から高3まで)だったけど、中流以上の家庭が多く比較的治安の良い地区の学校にもかかわらず、なんらかの麻薬を使用したことのある生徒がミドルスクールでも10%以上いるということだった。ハイスクールではさらに多く、学校ではしつこいくらいにドラッグに関する教育を行っていて、子供が授業で先生から「パーティーに行ったら、飲み物のコップは口の部分を手でふさぐようにして持たないと、よそ見した隙に変なドラッグを入れられる恐れがあるので注意するように」という話を聞かされていたから、こういう小説で書かれているようなことが現実に起きているんだと思う。先生は、大学に入ったら「ドラッグいる?」という感じで回ってきて、簡単に手に入るようになるけど決して手を出さないようにとも言っていたそうで、若年層にも麻薬が蔓延していて恐ろしいと思った。

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