ロマンス小説感想日記

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海外ミステリー、ロマンス小説のブックレビュー

ハンティング カリン・スローター

ハンティング 上 (ハーパーBOOKS)

ハンティング 上 (ハーパーBOOKS)

  • カリン・スローター
  • ハーパーコリンズ・ ジャパン
ハンティング 下 (ハーパーBOOKS M ス 2-4)

ハンティング 下 (ハーパーBOOKS)

  • カリン・スローター
  • ハーパーコリンズ・ ジャパン
Undone: A Novel (Will Trent Book 3) (English Edition)

Undone: A Novel (Will Trent Book 3)

  • Slaughter, Karin
  • Delacorte Press

 

 Will Trent シリーズ3作目。以前から読もうと思いつつ後回しになっていたこのシリーズにやっと手をつけた。本当は1作目から読みたかったけれど、マグノリアブックスが出した1、2作目はもう絶版になっていて入手しづらいので、とりあえず3作目を読んでみたところ、面白くてすっかりハマってしまった。

 主人公のウィルは、警察ものに多いマッチョな刑事とは一味違う複雑なキャラクターで、孤児で里親に虐待されて育ち、識字障害がありながらも警官として働いているという。育ちのせいで自分を卑下しているところがあり、カリスマ性のあるリーダータイプではないものの、どこか母性本能をくすぐる魅力があり、女性作家ならではのキャラクターだと思った。辛い過去を持つ女医のサラと出会って、これから2人の関係がどうなっていくのか興味津々だわ。この作家は Goodreads で原書のレビューを書いている人を見ると圧倒的に女性が多いけど、多分この恋愛模様を含めた人間ドラマが女性に人気の理由よね。ロマサス好きな女性読者に受けそうな内容だと思う。

 かなりグロい猟奇殺人もので事件の凄惨さはインパクトがあるけど、それを除けばストーリーは割とよくある連続殺人ものだった。それでもスピード感のあるサスペンスと人間ドラマの面白さで読者を飽きさせずにどんどんページをめくらせる展開は流石でベストセラー作家だけのことはある。拒食症を肯定するネット上のグループとか、興味深いトピックも扱っていた。3作目から読んでもキャラクターを把握するのに手間取ることもなくすぐに話に入り込めたし、上下巻でページ数は多目だけど、わかり難い比喩もない平易な文章でサクサク読めるのであまり長さを感じなかった。この作家の単独作品はいくつか読んでいて、ストーリーは良いけどキャラクターがイマイチという印象だったけど、これはシリーズものだけあってキャラクターが魅力的で良いわね。

 

 

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ドラマ化されているけどこの俳優はちょっとイメージ違うような。原作とはキャラクターが少し変わっていて、小説のファンは不満らしい。

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