YA小説の作家が書いた大人向けのミステリー。2024年のGoodreads Choice Awardsのミステリー部門ノミネート作だけど20作中17位なので順位は下のほう。翻訳されている作品では、アシュリィ・エルストンの「ほんとうの名前は教えない」(2位)、エイミー・ティンテラの「記憶にない殺人」(6位)、クリスティン・ぺリンの「白薔薇殺人事件」(10位)、ニタ・プローズの「メイドの推理とミステリー作家の殺人」(12位)等がこれよりも上位に入っている。
拉致・監禁もののサスペンスとしては面白いほうだけど、特別目新しいところは無かったように思う。主人公は事件を捜査する刑事のチェルシーで、日系人という設定なのが珍しい。彼女だけでなく攫われたエリーの視点も取り入れてわかりやすく書かれているのでサクサク読める。むしろミステリーとしては分かり易すぎるくらい。犯人は意外な人物だったけど、最後のどんでん返しは割と最初からミエミエだったような・・。
刑事のチェルシーがエリーの行動を探り、事件の全容を明らかにするストーリーなので、被害者のエリーにそこまで感情移入することなく読んでいたため、残虐な犯罪を描いている割にそれほど恐ろしく感じなかった。それでも中弛みもなく最後まで飽きずに読めたので、悪くはない作品だと思う。
ちなみにこのシリーズの2作目"Before You Were Anne”が最近発売されたばかりで、あらすじを読んだところ、チェルシーが日本人女性の殺人事件を捜査する話らしい。面白そうだけど絶対読みたいという程ではないので、翻訳が出なくてもそこまで残念だとは思わないかな。

