ロマンス小説感想日記

ロマンス小説感想日記

海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

夜の記憶は密やかに ジェイン・アン・クレンツ

 軽く読めるロマンティック・ミステリー。ホテル・チェーン経営者のヒロインと、彼女のホテルの警備コンサルタントをしているヒーローのロマンス。

 ヒロインは子供の頃、祖母が経営するホテルで恐ろしい目に遭ったけれど、祖母と管理人の男性に助けられ、事件は隠蔽されることになった。しかし事件の真相を知る祖母と男性が謎の死を遂げたことで、過去の事件が蘇る。地域の有力一家が事件に絡んでいて、その一家の息子がサイコパスだったりするのだけど、設定のわりにあまり怖くないのがこの作者らしいところ。ヒロインのトラウマもそこまで深刻な感じではなく、いつもどおりの飄々としたキャラクターだし、ヒーローも重い過去を背負った影のあるタイプなのに、おとぼけキャラのような雰囲気があり、ヒロインの交際相手になるチャンスを虎視眈々と狙っていたりするのが面白い。ヒロインの子供の頃の親友と、ヒーローの弟もやってきて4人で事件を捜査するのだけれど、その親友と弟も良い雰囲気になって微笑ましい。都合よく2組のカップルが出来るのはちょっと安直な気もするけど、4人で和気あいあいとしているところは読んでいて楽しかった。

 爆薬で吹っ飛ばされそうになったり危険な目に遭いながらもトントン拍子に捜査は進み、過去の秘密が少しづつ明らかになって、その合間にロマンスも進行する。ミステリーとロマンスの配分が丁度よく読みやすかった。最後まで読むと、"Sicret Sisters"というタイトルがなるほどと思える種明かしがあって上手いなと思った。

 

無断転載禁止 copyright © 2018 BOOKWORM