この作家の「56日間」と「ナッシング・マン」がそこそこ面白かったので、未読だったデビュー作の「遭難信号」も読んでみることに。ミステリーとしては3作の中でこれが一番面白かった。
アイルランドに住む脚本家志望のアダムは恋人のサラと同棲している。ところが会社員の彼女がスペインに出張に出かけたまま行方不明になってしまい、調べてみると出張というのは嘘で、彼女は豪華客船のクルーズに参加していた。アダムはサラを探すため、彼女が参加したクルーズに申し込み、船に乗り込んで手がかりを見つけようとするが・・・というストーリー。
途中で脈絡もなく突然ロマンというフランス人の少年の話になり、一体どういうことかと思ったけれど、彼も事件と何らかの関連があるに違いないと思い、どういう展開になるのが想像しつつ読んでいた。驚愕のどんでんがえしという感じではないけれど、予想外の展開で面白かった。殺人というのは偶発的に起きてしまうものなんだなあと。