Washington Poeシリーズ3作目。この原書の宣伝文句の1つに"Britain's answer to Harry Bosch"というのがあった。イギリス的にはこの作家がマイクル・コナリーの対抗馬なのか??まあ面白かったけど。
本作もなかなか入り組んだ凄い事件で、アメリカのFBIまで出てくるスケールの大きな犯罪でありながら、極めて個人的な私怨も絡んでいて、謎解きの面白さを堪能できるストーリーだった。ただこの作者は捜査の過程を丁寧に書く人なので、序盤は展開がややスローで、最初の掴みがいま一つという気はした。捜査が進展していくにつれ、意外な事実が明らかになり、中盤以降はかなり引き込まれた。容疑者が雑魚から極悪人まで色々出てくるけど、それぞれインパクトがあって面白かったし、まさに二転三転する先の読めないストーリーだった。ちょっと捻りすぎて、真犯人の正体は無理やりこじつけたような気がしないでもなかったけど・・。
ポーとティリーのコンビは相変わらずチームワークばっちりだけど、"ポーに果物を食わせる"ネタはちょっと飽きてきたので笑える新ネタをお願いしたいところだわね。検屍官のオバサンが面白いキャラクターなので、彼女には今後も活躍してもらいたいけど、続きも翻訳されるんだろうか。今のところ面白さは1>2=3かな。