全体的に地味で中盤やや盛り上がりに欠けるところはあったけど、終盤はかなり面白かったし読後感も良かった。無名の作家で原書もあまり売れてなさそうだけどミステリーの良作だと思う。
1960年代にグリーンランドの米軍基地で起きた事件を題材にした珍しいストーリー。主人公のジャックは精神科医で、地味なキャラクターだけど良い味を出していた。患者の気持ちに寄り添うタイプの精神科医で、被害者のために謎を解き明かそうと一生懸命なところがとても良かった。
宣伝文句に"意外性抜群"とか書いてあるけど、このどんでん返しはミステリをよく読んでいる人なら予想がつくんじゃないかな。最初から真相はきっとこういうことだろうと思っていた通りだったので、そこまでの意外性は無くむしろ定番の展開だと思う。それでも主人公が真相に辿り着く過程を楽しみながら読めたので良かった。壮大な陰謀を地味に解き明かす、地に足のついたミステリーという感じで、変に技巧に走ったところもないので読みやすかった。

