ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

この恋が運命なら ジェイン・アン・クレンツ

 J・A・クレンツは嫌いじゃないから時々読むけど、率先して新作に飛びつくほどではなく、これもだいぶ前の作品を今頃読んでてすみません。軽く読めるロマンティック・ミステリーで面白かった。この作者は個性的な主人公を書くことが多く、時々変人ぶりが度を越しててイラつくこともあるけど、今作はヒーローもヒロインも割と普通で読みやすかった。叔母さんが亡くなって遺品を整理しに来たヒロインが、高校生の頃の憧れの人だったヒーローと再会して恋に落ちる。家を売りに出す前に修繕するのをヒーローが手伝ってくれて、暖炉のタイルを剥がしてみたら死体が入ってた!というストーリー。謎解きは、特別すごいトリックがあるわけではないけど、叔母の家に死体が隠してあったというのに初っ端から興味を引かれたし、ロマンスも切なかったり感動的だったりするわけじゃないけど、高校生のヒロインを守護天使のように守っていたヒーローが、大人になった彼女を愛するようになるのが良い感じだった。ロマンスとミステリーのバランスも良く、素人探偵ものとしてはなかなかの出来だと思う。面白かったと素直に言える作品だった。ただ、自分の好みから言うとロマサスはもうちょい胸が熱くなるようなストーリーのほうが好きなので、この作者はベテランで上手いとは思うけど、どちらかというと読むのが後回しになってしまう作家なのよねえ。ファンの方ごめんなさい。

  J・A・クレンツはアマンダ・クイック名義のヒストリカルも合わせると既にかなりの数の作品が翻訳されているけど、いまだに人気が衰えず新作が刊行され続けているから凄いと思う。ノーラ・ロバーツもイヴ&ロークを含めてずっと出てるし、サンドラ・ブラウンやリンダ・ハワードのようなロマンス界の大御所は大体のところは網羅されているけど、私がロマサスで一番好きなスーザン・ブロックマンはヴィレッジブックスに見捨てられてしまったのか、もう5年くらい新作が出ていないのよねぇ。どこかの出版社が出してくれないかしら。ブロックマンのムネアツなロマンスをまた読める日が来ると良いのだけど。 同じように思っている人、絶対たくさんいると思うんだけどなあ。

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