ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

永遠なる時の恋人 J・R・ウォード

 “Black Dagger Brotherhood”は、ヴァンパイアものでは言わずと知れた人気シリーズでファンも多いと思う。このシリーズの1作目「黒き戦士の恋人」は10年くらい前に読んだけど、当時はイマイチ良さがわからなくて続きは読んでいなかった。でも昨年発売されたこの作者の「灼熱の瞬間」がとても良かったので、ヴァンパイアのシリーズも今読んだら面白いかもしれないと思い立ち、今頃になって2作目を読んでみた。 

 前作を読んだのが昔すぎるので1作目をおさらいしたほうが良かったかもしれないけど、読んでいるうちになんとなく思い出してきたわ。今作は超イケメンのプレイボーイのヴァンパイアと白血病の人間の女性のロマンス。巻頭に用語集まであるかなり仰々しい設定にちょっと怯んだけど、読み始めたらそんなにまごつくこともなかった。このヴァンパイアとレッサーの戦いって、マフィアとかギャングの抗争みたいなものよね。掟に背いたメンバーをみんなでリンチするとか、まんまギャング団って感じだし。そういうギャングの世界をヴァンパイアに置き換えて、カルト教団っぽく宗教的な要素を加えたら、こういう世界観が出来上がるんじゃないかしら。登場人物(人じゃないけど)もみんな少しヤクザな感じがするし、言わばヴァンパイアの任侠もの??

 1作目の内容がうろ覚えなんだけど、この手のパラノーマルは最初はどうしても説明的になってしまうものだから、2作目以降のほうが読みやすいのかもしれない。1作目を読んだ時はなかなか話に入り込めなかった覚えがあるけど、2作目は割とすんなり読めた。自分は元々SF/ファンタジーよりミステリー/サスペンスのほうが好きだから、これも夢中になって読むほどではなかったけど、なかなか楽しかった。パラノーマル好きな人ならハマるんだろうな。ヴァンパイアの設定にも一捻りあってよく考えられているし、壮大な話のようだけど、ロマンスは意外と普遍的で共感できる。ヒーローがヒロインにべた惚れで独占欲満載なのが楽しい。最初のデートがTGIフライデーでのディナーとか、すごく普通で親近感が沸くわ。ヒロインが白血病だから必然的にロマンスも切ない展開になって盛り上がるのが良いわね。血液の病気だからヴァンパイアが血を吸って治してくれるのかと思ったけどそうじゃなかった。かなり強引なハッピーエンドで、あんな神がかり的な方法で病気が治るなんてやっぱりパラノーマルって何でもアリなのね・・と思ったけど、そういうところもひっくるめて面白かった。

以下、自分語り入ってて割とどうでもいい話なので興味のある方だけ・・。

 

read more 「黒き戦士の恋人」を読んだのは10年前と書きましたが、そもそも私がロマンス小説を読むきっかけになったのは、ステファニー・メイヤーの「トワイライト」 で、それ自体はロマンス小説というよりYA小説なんだけど、映画が公開されて話題になっていた時に、面白そうだったので原作小説を読んでみたところ、すっかりハマってしまい、こういうヴァンパイアのロマンスで他に面白い小説はないかと色々漁っているうちにロマンス小説に興味を持って今に至るという。(それまではミステリーばかり読んでいて、ロマンスはあまり眼中になかった。)J・R・ウォードのこのシリーズはその頃評判になっていたから読んでみたけど、今思えばYA小説のトワイライトの後に、同じヴァンパイアものとは言えJ・R・ウォードみたいに濃いやつにいきなり手を出したのはちょっと無謀だったかもしれない。その時は良さがわからずあまり面白いと思えなかった。結局、色んな作家のヴァンパイアものを読んでみたものの、どれもピンとこなくてトワイライトを超えるものは見つけられなかったけれど、それがきっかけでロマンス小説に目を向けるようになり、面白さに気付けて良かった。当時トワイライトの大ヒットで、色んな出版社がヴァンパイアものを競うように出していたから、案外、私のような人が結構いたんじゃないかしら。今ではブームも去りパラノーマル・ロマンスはすっかり下火になってしまったわよねぇ。

 

 

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