ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

ミッドナイト・サン ステファニー・メイヤー

 「トワイライト」のストーリーをエドワードの視点で書いた新作。同じ話を別の登場人物の視点で語り直すというのは正直どうかと思うけど、E・L・ジェイムズは「フィフティ・シェイズ」3部作全部でそれをやってベストセラーになっているので、ロマンス小説ならそういうのもアリなのかもね。自分はそんな風にプロットを使いまわすのは手抜きな気がしてあまり好きじゃないけど、「トワイライト」は読んだのが10年以上前で内容を忘れかけているし、当時かなり夢中になって読んでいたので懐かしさもあって、せっかく新作が出たなら読もうかなと。

 それにしても書くのに13年もかかったなんて長すぎじゃないかと思ったら、作者にとっても既にあるストーリーを視点を変えて書くというのは創作意欲を刺激されることがなくて苦痛だったそうで、なかなか筆が進まなかったらしい。だから他の登場人物の視点で書き直した作品はこれ以上出すつもりはないけれど、トワイライトシリーズの続編は、ずっと先のことになるだろうけど何か新しいものを書く予定はあるとのこと。(作者のウェブサイトに書いてあった。)

 「ミッドナイト・サン」はトワイライトと同じ話のはずなのに、なぜかページ数は倍近くになっていて、とにかく長かった。全編エドワードのモノローグで人間の女の子を好きになった吸血鬼の苦悩が溢れている。悲観的で後ろ向きな思考のキャラクターの悲痛なモノローグが延々と書かれているので読んでいていちょっと息が詰まる感じはしたけど、ベラに対する深い思いは良かった。この禁断の恋は本当にロマンティックだよねぇ。エドワードは自分をギリシア神話に出てくる冥界の王ハデスに、ベラをハデスに連れ去られたペルセポネになぞらえていて、ザクロの実はハデスとペルセポネの神話の象徴的な果物なので、それを表紙にしたとのこと。なるほどね。

 ストーリー展開はわかっているので新鮮味はないけれど、エドワード視点だから吸血鬼のカレン一家についてより詳しくわかったのは良かったと思う。久しぶりにエドワードとベラの恋物語を読んでトワイライトの世界に浸り、懐かしい気持ちになった。

Midnight Sun

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