Dollanganger Saga 2作目。怒涛の展開に圧倒された。前作は兄妹たちが屋根裏部屋に閉じ込められていた3年半くらいの間の話だったけど、本作では主人公のキャシーが冒頭では15歳だったのが終盤では27歳になっていて、10年以上に渡るストーリーが1冊に詰まっている。巻き進行で目まぐるしく話が展開していくので息つく暇もなくどんどんページをめくってしまった。キャシーの恋愛遍歴がとんでもないことになっていて、その波乱万丈すぎる人生に唖然とさせられた。
16歳になり超絶美少女に成長したキャシーは、後見人になってくれた40代の医師を惑わせたり、いっぱしの魔性の女になっている。思春期にずっと閉じ込められていた反動か、ものすごく生き急いでいて、母親を見返すために一流のバレリーナを目指し、恋愛にも貪欲で色んな男性と次々恋をするけれど、それで幸せになれるわけでもなく不幸が次々と彼女に襲い掛かってくる。妹のキャリーのエピソードが悲しすぎて泣けた。最終的に母親への復讐を果たして多少は溜飲が下がったけれど、不幸続きのキャシーの人生がこれから良くなるとは思えず前途多難な今後を予感させるエンディングだった。
自暴自棄なキャシーの恋愛模様を見守る兄のクリストファーが切ない。1作目の刊行から約30年後に、TVドラマ化されたのをきっかけにクリストファーの視点で書かれた作品が刊行されていてちょっと気になるなぁ。妹を愛してしまった彼の苦悩を読んでみたい気がする。まあ今更翻訳されることはないだろうけど・・。



