ロマンス小説感想日記

ロマンス&ミステリー小説感想日記

海外ミステリー、ロマンス小説のブックレビュー

恋人はドアの向こうに / いつか愛になる日まで ローリー・フォスター

 話が繋がってるので2冊まとめてレビュー。ローリー・フォスターは人気作家で翻訳も何十冊も出版されているけれど、そこまでお気に入りの作家でもないので、長編はこれまでに5冊くらいしか読んでないな。これは2部作の比較的短いシリーズみたいだから読んでみた。

 この作者は、ブルーカラーの男性が半裸で肉体労働をしてるのに萌えるらしい。しかもそういうのが兄弟、親子で出てくるのが定番。似たような顔のハンサムがうじゃうじゃいて男性ホルモンがムンムンしてそう。「恋人はドアの向こうに」のヒーローは何でも直す修理屋というか、木工大工みたいな人だけど、やたらと上半身裸で作業してる描写がでてきて、ちょっとクドイよと思ってしまった。ヒーローの家には兄とその息子が一時的に一緒に住んでて、その男3人所帯の隣にヒロインが越してくる。この“ご近所”っていうのもこの作者の好きなシチュエーションよね。ヒロインは薄情な親や意地悪な親戚にいじめられてる気の毒な女性で、ヒーローが家族ぐるみで彼女を受け入れて全体的には心温まるお話なんだけど、なんとなく自分の好みとちょっとズレてて、淡々と読んでしまった。でもここで出てきたヒーローの兄がちょっと気になったので次も読んでみることに。

 「いつか愛になる日まで」のほうは前作ヒーローの兄の話で、奥さんを亡くして息子を一人で育ててる会計士(なのに何故か肉体派)だったんだけど、食堂を経営してるヒロインに惚れて、食堂の肉焼き係に転職!ってなんでやねん。まあ、この作者らしくて、とっても庶民的よね。ヒーローの亡くなった奥さんは浮気してひどい人だったとのことだけど、その悪女ぶりがとって付けたような感じで現実味に欠ける気がして、いまひとつヒーローが苦しむ気持ちに共感しづらかったかも。実際、苦しんでる描写はあまりなくて、ひたすらヒロインの世話を焼いてたけど。今作も、一人で頑張ってる彼女を家族ぐるみで助けて、隣に住んでる弟夫婦も合わせて、みんなファミリー!みたいな心温まるお話。おじさんから受け継いだ食堂を大切に思ってるヒロインの気持ちを汲んで、お店を手伝うヒーローは優しいと思うけど、肉を焼くのが天職って、えぇっ!そうなの?!と思ってしまって、主役の2人よりも、保安官と何かから逃げてきた謎の女性とのロマンスのほうが面白く感じた。

 久しぶりにローリー・フォスターを読んで、そうそう、こういう作風だったよね、と再確認できたから、しばらくこの作者の本は読まないと思うけど、忘れた頃にまた読むかも。

恋人はドアの向こうに (MIRA文庫)

恋人はドアの向こうに (MIRA文庫)

  • 作者: ローリー・フォスター
  • 出版社: ハーパーコリンズジャパン
  • 発売日: 2017/08/10
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いつか愛になる日まで (MIRA文庫)

いつか愛になる日まで (MIRA文庫)

  • 作者: ローリー・フォスター
  • 出版社: ハーパーコリンズジャパン
  • 発売日: 2017/12/08
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