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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

夜は何をささやく ジュディス・マクノート

 かなり古い本で長いこと積ん読書になってたのをやっと読んだ。ジュディス・マクノートは他は全部読んだけど、この1冊だけ未読だった。この作者は、紆余曲折を経て結ばれるすれ違いロマンスを書かせたら天下一品だけど、この作品はヒロインが警察官で、ガチのサスペンスっぽいからどうだろうと思いつつ読んでみると、実際には、サスペンスは最後の1/4くらいで、大半は、貧しいヒロインがハンサムで超リッチな実業家のヒーローに口説かれるシンデレラストーリー(笑)で、いつものマクノートだった。

 ヒロインは警察官だけど、この作者のいつものヒロインみたいに心優しく天真爛漫なお姫様みたいなタイプで、こんな警察官いるか??とちょっとツッコミたくなったけど、まあいかにもこの作者が書きそうなキャラクターだった。ヒーローと出会うまでの前置きが長くて、同僚のイケメン警官とか、謎めいたFBI捜査官とか、良さそうな男性が出てきたから、一体誰がヒーローなんだろうと思って読んでたけど、1/3くらい読んだところで遂に億万長者のヒーローが登場。たぶんこの作者的にはヒーローは金持ちっていうのが必須条件なんだろうな。

 ヒロインは2人姉妹の妹で、幼いころに両親が離婚し、優しいけど貧乏な母親の元で育った。姉は裕福だけど冷たい父に引き取られ、父と姉にはそれ以来会うことはなかったけど、急に父が親交を深めたいから家に来るようにと連絡してくる。行く気はなかったけどFBIが接近してきて、父親の悪事を暴くためにスパイとして家に潜り込めと言われ、仕方なく父の豪邸へ。スパイと言ってもかなりユルい任務でたいした仕事はなく、姉と絆を深めたり曾祖母と交流して過ごしてるうちに、ヒーローに見初められ、猛アタックされるという(笑)。さすがは金持ち、ヒロインのために贅をつくしたパーティーを開いてあげたり、ベッドに誘うために豪華船での二人きりのディナーに招待、しかもヘリコプターの送迎付きとか、スケールが違うわ。そしてやはりこの作品の読みどころはヒーローの華麗な口説き文句よね。この作者はほんとに歯の浮くようなうっとりするようなセリフを書くのが素晴らしく上手い。これまでシャツを替えるように女性を取っ替え引っ替えしてきたヒーローがヒロインに夢中になって、ロマンティックに迫りまくるんだもの、これぞロマンス小説の醍醐味よねえ。

 残念だったのは、かなり終盤になってから殺人が起こりヒロインが容疑者にされ、ヒーローに誤解されてすれ違い、とにかくバタバタと事件が起きて急展開すぎたことかな。もうちょっと二人のすれ違いを楽しみたかったのに、なんだかあっけなかった。それでも久しぶりにジュディス・マクノートを読んで、良さを再発見できたわ。どちらかというと寡作な作家なので、著書が少ないのが残念だけど、本国では今年14年ぶりくらいに新作(「君といたあの頃に」の続きらしい)を出す予定だったのが延び延びになってまだ出てなくて、ファンはいつ出るのかヤキモキしているみたい。もうかなりのご高齢だと思うけどまだ書いてたのね。

 

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L0ve Drunk: ジュディス・マクノート

夜は何をささやく (新潮文庫)

夜は何をささやく (新潮文庫)

  • 作者: ジュディスマクノート,Judith McNaught,中谷ハルナ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2001/04
  • メディア: 文庫
Night Whispers Trade Paper

Night Whispers Trade Paper

  • 作者: Judith McNaught
  • 出版社/メーカー: Simon & Schuster (Paper)
  • 発売日: 2007/06/30
  • メディア: ペーパーバック

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