ロマンス小説感想日記

ロマンス&ミステリー小説感想日記

海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

クロストーク コニー・ウィリス

 SFはあまり読まないジャンルだけど、超常恋愛サスペンス大作という宣伝文句に興味を惹かれて読んでみた。コニー・ウィリスを読むのは「犬は勘定に入れません」以来でかなり久しぶり。この作者の長編は本当に長いから読むのに気合いがいるのよね。この作品も2段組の新書版で700頁超えというすごいボリューム。テレパシーがテーマのSFだけど、ラブコメのようなストーリーなのでロマンス好きな人にも良いかも。

 ヒロインはAppleのライバルらしき携帯電話のメーカーに勤めていて、ハンサムなエリート社員と社内恋愛している。世間では、カップルが感情的につながることができるようになるという脳外科手術が流行っていて、ヒロインも恋人から一緒に手術を受けようと誘われる。アイルランド系のヒロインにはおせっかいな親族がたくさんいて、みんな手術に反対しているのに、内緒で手術を受けてしまう。するととんでもないことが起きて・・というお話。ヒロインの恋人は最初からちょっと胡散臭くて嫌な感じなので、何でこんな奴と付き合うのかとヤキモキ。同じ会社の開発担当のオタク君が、ファッションはダサくて乗ってる車はオンボロだけど本当に優しくて良い人で、彼女が窮地に陥ると助けに駆けつけてくれて、頼もしくて素敵なのよ。ヒロインも最初は邪険にしてたけど、しばらくしたら彼の良さに気付くのよね。

 ラブコメみたいなストーリーとは言え、ガチのSFなのでテレパシーに関する化学的な側面も割と真面目に書いてある。そこにスマホの開発に関するちょっとしたサスペンスに、アイリッシュの親族たちのホームコメディも絡めて盛沢山な内容。(正直、そこまでSF好きではない自分のような読者には、テレパシー関係はもう少し端折ってもらって短くまとめてくれるとありがたいのだけど。)現代社会はスマホSNSの普及でみんなつながりすぎてコミュニケーション中毒になってるという見解には非常に共感できるし、情報の洪水で溺れるというのが比喩ではなく文字通りなのがSFらしくて面白い。終盤は意外な事実がどんどん明らかになっていき、全てが腑に落ちてスッキリ。最後の最後でロマンスも成就するけど、とてもロマンティックで良かった。長かったけどこのラストを読んで報われたわ。

Crosstalk: A Novel (English Edition)

Crosstalk: A Novel (English Edition)

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