エリカ・スピンドラーは初期のMIRA文庫の人気作家よね。昔、何冊か読んだけど、未読のものがまだたくさんあるので、久しぶりに読んでみた。以下ネタバレ注意。
この作品は原書が2001年刊行で、内容的に多少古さは感じたけど面白かった。解離性障害は、ダニエル・キイスの「ビリー・ミリガン」以降、多くの作家が扱ってきたテーマで、一時期その手の映画や本を割とよく見たり読んだりしたので、展開はだいたい予想がついたけど、ヒロインの恐怖がよく書かれていて良かったと思う。終盤のサスペンスの盛り上がりはなかなかのもので一気に読ませる勢いがあった。タイトルや表紙から恋愛要素は少なめだと思っていたけど、やっぱりロマサスだからヒーローとヒロインはちゃんとロマンスしてたわ。素敵な刑事さんが守ってくれるというのは、女性の読者にとっては悪くないストーリーだと思うけど、これでヒロインの相手が精神科医のほうだったら、ガチのサイコスリラーになって怖さ倍増で、より面白かったんじゃないかという気はした。
エリカ・スピンドラーは定評のある作家だから、大きなハズレはなくて安心して読めるわね。またそのうち読もう。
- 作者:エリカ スピンドラー
- メディア: 文庫
- 作者:Spindler, Erica
- 発売日: 2012/07/06
- メディア: Kindle版