ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

ショッキング・ピンク エリカ・スピンドラー

 E・スピンドラーの初期のロマサス。SMプレイで人が殺されるというのは、原書が刊行された1998年にはかなりショッキングな題材だったかもしれないけど、今読むとそれほどでもないな。サスペンスだけ見ると、上巻を読み終わる頃には、たぶん真犯人はコイツじゃないかと目星がついていて、実際そのとおりの展開だったので、特別驚くようなストーリーではないと思う。別に真犯人が誰か予想がつくからサスペンスとして駄目というわけではないけど。

 この作品は、子供の頃にトラウマになるような体験をした3人の少女が、大人になってどんな人生を送るかということが重要なテーマだと思う。三者三様の人生が興味深い。盛沢山な内容で、精神科医のヒロインの患者で、夫から虐待されている女性のまた別の事件の話もあり、たくさんのエピソードを盛り込みながら散漫な印象はなく、うまくまとめていると思う。

 でもヒロイン達の少女の頃のエピソードはもう少し短くても良かった気がするな。プロローグで殺人事件が起きた後に、第一部として、それぞれ家庭に問題を抱える3人の女の子の友情の物語みたいなYA小説風の話が書かれているから、事件が気になっているのに、本題に入る前に長い長い前置きを読まされたような気がした。まあ少女時代に起きたことが現在の事件に関連しているので、ストーリー上必要な部分ではあるんだけど。

 ロマンスは割と現実的で、ヒーローは最初、幼い娘のために別居中の妻とやり直そうとしていたけれど、ヒロインと出会って、子供のためだけに愛のない結婚を続けるべきではないと考え直す。失敗した結婚生活を振り返って反省し成長したヒーローが、ヒロインとの新しい関係で幸せを掴むという展開は、ものすごくロマンティックというわけではないけど悪くはなかった。 

Shocking Pink (English Edition)

Shocking Pink (English Edition)

 

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