ロマンス小説感想日記

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can't live without books

侯爵家の居候は逃げだした令嬢 シリア・ジェイムズ

 このセンスのない日本語タイトル・・。それはさておき、Dare to Defyシリーズ2作目だけど、ストーリーも、主役2人のキャラクターも前作と似たような感じで、もう少し変化があると良かったかも。可愛らしいロマンスだったけど、まあ普通かな。

 富豪令嬢のヒロインは大学も出ている才女で、そのことを誇りに思っている。確かにすごいけど、イギリスにやってきて貴族の人たちに女子にも大学教育が必要だと公言するのは、いくら物をはっきり言うアメリカ人とは言え、もう少し空気読んだほうがいいような・・。保守的な英国貴族の中で、かなり浮いた存在になっているというのに全く気にせず堂々としていて、もう少し葛藤があってもいいと思うのだけど、現代アメリカ人である作者自身の考えが透けて見えるキャラクター造形。ヴィクトリア朝末期の話だから、摂政時代よりも人々の考え方は多少は柔軟になっているかもしれないけど、ヒロインの言動が現代人に近すぎて、時代性が損なわれている気がする。(まあ、そういうヒストリカル・ロマンスが多いわけだが・・。)

 作家を目指すヒロインと発明に心血を注ぐヒーローが、お互い身分にふさわしくない活動に情熱を傾けているという点で思いを分かち合い惹かれあうけれど、ヒーローには親が決めた許嫁がいて、2人が結婚できる見込みはほとんどない。もっと切ないロマンスになっても良さそうなものを、そこまで心の機微を描ききれていなくて、あっさり目なので軽い印象。ヒーローが、二人が関係を持った直後に、ヒロインが爵位目当てに自分に結婚を迫るんじゃないかと邪推したのは、あれほど彼女に心酔していたのに不自然すぎて、ストーリーを盛り上げるための無理やりな展開という気がした。

 さらっと読めたけど、ストーリーにのめり込むほどの吸引力はなく、欠点が目に付いてしまったので、自分が気になった点を列挙してみたけど、ヒストリカルが好きな人なら普通に楽しめる作品で、美男美女の素敵なロマンスだと思う。(え?)

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