ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

クリスマス・トレイン デイヴィッド・バルダッチ

 この作者の「完全記憶探偵」が面白かったので、続編の「ラストマイル」も読んで、エイモス・デッカーシリーズにすっかりハマってしまった。「ラスト~」は冤罪で投獄された死刑囚を助ける話で、犯してもいない罪で20年も服役して人生を奪われてしまった男性が気の毒すぎて泣ける。捜査を続けるうちに、この冤罪事件の裏にものすごい陰謀があることがわかって驚愕。1作目を凌ぐ面白さで一気読みだった。原書は6作目まで出ているシリーズだけど、残念なことに2作しか翻訳されてないのね。そういうわけで、この作者の過去作でも読もうかと調べてみたら、驚いたことにロマンスも書いていて翻訳も出ていたので読んでみた。

 アラフォーのヒーローはジャーナリストで、昔は戦場特派員として危険な取材を行っていたけど、今は燃え尽きてそういう仕事からは遠ざかり、雑誌にインテリアなんかの記事を書いている。彼は昔付き合っていた女性を本気で愛していたけれど、仲違いして別れてしまい、そのことをずっと後悔している。クリスマスに鉄道で大陸横断して、その経験を元に旅行記でも書こうと寝台列車に乗車したら、何とその別れた彼女が同じ列車に乗っていたという。ほとんどありえない設定だけど、10年ぶりに再会した恋人たちの切ないラブストーリーは悪くなかった。

 ミステリー作家が書いた恋愛ものと言うと、以前ジェームズ・パタースンも読んだけど、こっちのほうが好きかな。パタースンは完全にお涙頂戴ものだったけど、バルダッチはラブコメっぽいテイストで、笑いの中に涙ありという感じが良かったと思う。鉄道の旅でいろんな興味深い人と知り合って人々の優しさに触れるというクリスマスらしい心温まるストーリーだった。

 これはこれで良かったけど、やっぱりこの作者はミステリーのほうが面白いなあ。海外ではかなりの人気作家なのに、翻訳があまり出ていないのが残念。

クリスマス・トレイン

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