ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

あの日に消えたエヴァ レミギウシュ・ムルス

 ポーランドのミステリーを初めて読んだ。最近は色んな国の小説が翻訳されるようになったわね。非英語圏の小説はなんとなくとっつきにくい印象があってこれまでそんなに読んでこなかったけど、これは読みやすくて面白かった。「驚異のスーパーページターナー本!」という宣伝文句に興味を引かれたんだけど、衝撃的な展開で読者を引き込み、謎を引っ張ってどんどん読ませる疾走感のあるストーリーは確かにページターナーだわ。

 主人公のダミアンは10年前、幼馴染のエヴァにプロポーズした直後に暴漢に襲われ、エヴァはレイプされた後に失踪してしまった。大学生だったダミアンは絶望して大学を辞め、ウエイターの仕事で食いつなぎながら酒を飲みゲームをする日々だったけれど、事件から10年後、友人が偶然フェイスブックエヴァの写真を見つけたことから、彼女の捜索を始める。フェイスブックから始まり、ネット上にエヴァが残した手掛かりを追ってパスワードを推理していくのがゲームのようで、色んなメディアをうまく活用したストーリーが上手いと思った。そしてどんでん返しが何度かあって、全く予想外の展開に驚愕。重厚なミステリーという感じではなく全体的にスピード感重視で多少無理のあるストーリーではあるけれど、このアイディアはなかなかだと思う。驚かされることは間違いないわね。

 あとがきによると、ポーランドでは交通事故や癌で亡くなる女性よりも、家庭内暴力で亡くなる女性のほうが多く、週3人のペースで亡くなっているそうで(ポーランドがそんなDVのメッカだとは知らなかったので衝撃だった)作中、DV夫が妻に暴力を振るう場面が結構たくさん出てくるのだけれど、この夫、気狂いじゃないかというくらい奥さんをボコボコにしていて、凄まじい暴力の描写が恐ろしかった。

 ポーランドのミステリーだけど、主人公はスパイダーマンスターウォーズが好きで、フー・ファイターズやレインボーの曲を聴き、Netflixを見て、アメリカ産のコンピューターゲームをプレイしていて、ポーランドのローカルなカルチャーの話はあまり出てこないので、アメリカの小説みたいな感じだった。まあ地名が出てきてもどの辺りかわからないし、100ズロチっていくらだろうと思ったりはしたけど、文章も読みやすかったし、あまり馴染みのない国の話でも問題なかった。ただ最後がかなり唐突な終わり方で、この結末はちょっと納得いかないなと思ったら、どうやら続編があるらしい。気になるからあらすじだけも知りたいと思ったけど、ポーランド語がわからない・・・。

 でもポーランドのミステリーも意外と面白いことがわかって良かった。今までアメリカやイギリスの作家を読むことが多かったけど、もっと色んな国のミステリーに目を向けてみるべきかもしれないな。

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