ロマンス小説感想日記

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海外ロマンス小説、翻訳ミステリーのブックレビュー

彼と彼女の衝撃の瞬間 アリス・フィーニー

 この作者のデビュー作「ときどき私は嘘をつく」が、かなりトリッキーなミステリーだったので、本作も最初から全てを疑いつつ読んでいたのだけれど、捻りに捻った展開に唸らされるストーリーで面白かった。

 彼女(テレビの報道記者)と彼(田舎の警察の警部)の視点で交互に語られるストーリーに、時々犯人らしき人物のモノローグが挟まっていて、それぞれの言い分にどこか怪しいところがあり謎めいている。田舎町で女性が殺害される事件が起き、それを取材する彼女と捜査する彼のどちらも被害者とつながりがあり何かを隠しているようで、怪しい人物ばかりで誰も信用できないので疑心暗鬼にさせられた。序盤は若干スローに感じられたけれど、過去が明らかになるにつれストーリーに引き込まれていった。

 30代半ばで離婚歴があり、ニュースキャスターから記者に格下げになってキャリアも停滞中で、もがきながら人生を歩んでいるような彼女には、女性ならどこかしら共感する部分があると思う。彼女の女子校時代のエピソードは背筋が寒くなるほど陰湿でゾッとさせられた。女子生徒の歪んだ友情といじめが衝撃的で、学校内のヒエラルキーを残酷に描いているのが恐ろしい。そんな少女たちが大人になってから辿った人生については色々考えさせられるものがある。ショッキングなシーンもあり陰鬱なイヤミスだけど、読者を謎に引き込む展開は流石で結末も上手いと思った。

 できるだけネタバレしないように書いたのでよくわからない感想になってしまったけど、捻りのきいたサスペンスが好きな方なら読んで損はないかと。

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